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はじめにー櫻田道場 |
私が道場を開いて、子供たちに空手を教え始めたのは、 自分の子供らが、学校から帰ってくると、いつもいじめられて泣いて帰ってくるのを見てからでした。そのとき、子供に空手を教えよう・・と素直に思いました。
私は、高校生の頃から空手をやり始め、剛柔流に入門し、大学に入ってから極真に入門し、空手をやり始めて40年が経とうとしています。
当時の極真は、向かい合ったら親でも倒せ・・と言われてきました。でもそれは修羅の道であって、人の道ではないように思います。
私は、子供たちが少しでも上達したり、上手にできたら、たくさん褒めるようにしています。認めてあげることが子供たちの自信につながり、可能性を引き出すと思っています。
空手で培った心と技は、これから生きていく時に遭遇するであろう、様々な困難にぶつかった時に必ず役に立ちます。それを、ひとつひとつ乗り越えていって欲しい。
そして、子供たちが大きくなり強くなったら、自分の大事な人や、自分より弱い人を守って欲しい。 または、自分を守って欲しい。 そう思っています。 櫻田道場 櫻田 雅之
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はじめにー櫻田道場 その2 |
私は武道の門派、種類に、基本的に優劣はないと思っています。あるのは各個人の技の習熟度と思います。 もともと空手は、小林寺に達磨大師が訪れた時、当時の僧侶達の健康体格があまりにも貧弱だったのを見て、健康法として伝えたのが初めであると何かの文献で読んだ記憶があります。当時の人は、これが全身運動というのを知っていたのだと思います。
現代においても、海外では空手は全身運動という事に着目され、リハビリテーションとして利用されています。
空手を学びながら、仲間が増え、健康になって人生が豊かになれば、幸せが1つ増えるでしょう そして、いざという時、自分の身が護れれば更にいいことだと思います 幸せがもうひとつ増えます。
それで、空手で会員さんの人生が、幾分かでも豊かになる事のお手伝いをする事が出来れば、私はとても良いと思います。
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はじめにー櫻田道場 その3 (気を使っている事) |
学校で苛められている子を観察していると、何かが問題があります。 ウチの息子の場合は自分の思った事を苛めている相手に『いやだ、やめて』と言えないようでした。娘はさらに思っている事が言えない。男の子にからかわれると泣いてしまう・・という状態でした。
私はまず、親として子供に自分の意見をはっきり言えるようにしようと思いました。言葉は発しなければ伝わりません。 だから道場では気合は大きく、返事は大きく。・・たいのですが、まだまだです。
次に自信をつけさせる為に体力をつけさせ、平行して技を身に付けさせました。 武道は喧嘩の道具ではない。私は相手を苛め返すために技を教えているのではまりません。 こころのケア、躾は家庭の仕事ですが、私は、自分より弱い者をいたわる気持ちや守る気持ちを教えるのは道場の仕事だと思っています。 そうでないと、自分より強い相手だと弱腰になり、弱いと思うと高飛車になる人間になってしまいます。 私は子供が、そういうふうにはなってほしくはないのです。
中国の書物に力で人をねじ伏せるのは覇道、心で心服させるのは王道とあります。 皆には王道を歩いて欲しいと思っています。
別にスポーツ、武道ならなんでもよかったのですが、サッカーや野球の場合、レギュラー選手の定員が決まっているので、選手になれるかどうかが厳しく、なれない場合、最初の挫折になってしまいます。 空手の場合は個人の力です。みんながレギュラーな訳です。 私の場合は息子に習わせるのが、空手道だったわけです。
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はじめにー櫻田道場 その4(考えている事) |
私が空手を教えながら、その人や子供の体について考えていることは、技もそうですが身体能力を伸ばす事です。
とくに子供についてはこの時期に大きく形成される才能能力があります。 それは、音感(これは絶対音感と言われるものです)、バランス感覚、反射神経などの神経系統です。 以前指導した生徒で野球部出身の子がいました。中学生でしたが、身体能力が優れていて、1を説明してやって見せたら3くらいまで理解して同じようにできました。
その子に何故野球を止めたのか聞いたら、 『バッターだったが、同じ動きだけしていたら筋肉が偏ってついてしまい、腰を壊してしまったのだそうでした。』
ここが大事です。この野球の監督は試合に勝つ事だけを考え、選手の体を考えていなかったのです。結果として人ひとりの野球人生を不能にしてしまいました。
人は、人生に1度だけ訪れる、大きく神経等が発達する大事な時期があります。5〜8歳(年中さんから2年生)の間、そして9歳から12歳の時期です。 この時期を大事にしなければいけません。全身運動させなければいけないんです。
私はこれを全身運動の空手を通じて、その子が将来どの分野のスポーツをやり始めても対応できるような身体能力作りをしたいと思います。 そしてさらに、空手道で自分の身を守れればさらにいい。
名前は忘れましたが、体操の選手でしたでしょうか。女性のオリンピック選手でした。子供の頃から、親に泣きながら練習させられたといいます。 21歳の時、『もう、燃え尽きました、引退します。』 オリンピック選手も、7年間なにもしなかったら普通の人に戻ります。たぶんこの選手は、もう一生スポーツはしないだろうと思います。
自分で燃え尽きたと言っているのです。この姿をこの親は望んだのでしょうか。 これは空手も同じで、子供の成長と性格を見ながら導かなければいけないと思っています。主役は子供なのですから。
しかし、道場で、出来ると思う子が『私が違う!』と思ったら容赦なく怒号が飛びます。その子が出来ないと思うことはやらせてはいません。
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はじめにー櫻田道場 その5(稽古) |
一般部に限らず、練習で、一番気を使っている事は安全という事です。 練習の度に怪我をするようではどうしようもない話です。生徒はみんな空手のほかに学業や仕事を持っていて、趣味で空手を習っているということです。 体力の有る人、身体能力の高い人、そうでない人、女性もいます。 脱落者がひとりもいないようにみんなレベルアップできるように考えています。 僕のスタンスはここにあります。
ただ、『人の道』などと格好のいいことは僕は言いませんが、武道は本来殺傷術で、刃物の扱い方を教えています。 普段以上に礼儀は大事だと思います。
その基本は、強い人は自分より弱い人を守る。 自分がされて嫌なことは人にもしない。これは空手に限らず、 2000年前にナザレのイエスが言った事と同じで、今に通じます。人の基本です。
お子さんを、武眞会に習わせようと思う親御様に、なぜお子さんを習わせたいと思うのかを聞きします。 その趣旨に合わせて、その子の状況とレベルを見ながら稽古をつけます。
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